freeeは既存の会計ソフトを使用していた方には結構とっつきにくい部分があります。
ネットなどではfreeeで簡単操作で経理が自動化できるという広告を見かけますが正直いって誇大広告レベルではないかと思っています。Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
freeeの特長は仕訳を入力するのではなく、できるだけfreeeに連携・取込できるようなデータで集めてくることで『入力作業を減らす』ことにあります。
データ連携やデータ取込ができれば入力の手間と転記ミスが減少することになり経理が楽になります。
ここでは他の会計ソフトよりかなり特徴のあるfreeeの現預金取引・売掛金計上・買掛金(未払金)計上の連携・取込や入力方法についてのちょっとしたコツなどを簡単にご説明させていただきます。
また令和六年からほとんどすべての事業者に影響する『電子取引の保存』についてfreeeでの注意点についても少しだけ触れております。
目次
基本的な留意事項
・経理処理は何カ月もまとめずやらずにこまめに行いましょう。
業績の予測・納税の予測・資金繰りの予測をキチンと行うには毎月の試算表で業績を翌月中にはチェックして自社の強みや問題点を把握することが大事です。
こまめに経理処理することはfreeeというより安定した経営を行うためのスタートラインです。
・事業経費とプライベート費用はきっちり別管理しましょう。
プライベートな費用が会社から区分せずに出金されていますと経理処理がややこしくなるだけでなく、法人の場合は『貸付金』などの銀行が嫌う勘定科目が決算で残ってしまう可能性があります。
また税務調査の際には資金管理がキチンとされていないという印象を与えてしまいます。
・『取引先』や『品目』をむやみに増やしすぎないようにしましょう。
『取引先』『品目』は基本的にはB/S科目と管理したい損益科目だけ使用するのがおススメです。
freeeは残高順の並び替えができないためにむやみに増やすと見づらくなります。(´;ω;`)
また『預り金』のようにB/Sでも『品目』で管理したほうがよい科目もあります。
freeeは、ある程度『取引先』が固定化されているほうがどうしても使いやすいです。
掛売上で一見のお客様などが多い場合はExcelで別途管理が必要なケースも生じます。
・入力の手間を省くため自動登録ルールを使用できる場合はできるだけ活用しましょう。
freeeは自動登録ルールをキチンと使いこなすことが入力の手間を省くコツです。
ただなんでもかんでも自動登録ルールにするのではなく頻繁にでてくる取引に限定します。
また自動登録ルールは必要に応じてこまめにメンテナンスを行うことでより使いやすくなります。
ビジネスモデルはできるだけシンプルに。これが自動登録ルールを有効活用するポイントです。
現金取引
・まずは現金での取引自体を減らしましょう。
freeeに連携できる『事業専用』の電子マネーやクレジットカードを作成して連携させましょう。
キャッシュレスにすることで現金取引を入力する手間と転記ミスが減少します。
ガソリン代やホームセンターは専用カードで月一の預金引落しにすることも一つのコツです。
店舗専用カードの明細はカード会社と異なり利用明細がキッチリと記載されるのもメリットです。
利用明細がはっきりしているためクレジットカードのようなお客様控えの保存が不要となります。
インボイスの点からも通常は月々の請求書のみ保存することでOKとなります。
クレジットカードは2023年以降は利用明細にインボイスが記載される可能性があります。
デメリットは実際の使用時と経費計上と支払にタイムラグが生じてしまうことでしょうか。
・現金取引の量が多い場合はExcelで出納帳を作成しアップロードしましょう。
Excel出納帳をアップロードする方法ですと自動登録ルールを使用できます。
よく出てくる取引は自動登録ルールで登録・推測しておくと次回から楽になります。
預金取引
・取引の少ない口座以外はネットバンキングを利用し『同期』しましょう。
預金取引はネットバンクを使い『同期』することが間違いなく一番楽です。
『同期』することは電子取引となりますがfreeeは訂正削除不可なシステムの要件を満たします。
特段何もする必要はありません。(CSV履歴を取り込む場合は事務処理規定などが必要)
借入の返済通帳など毎月2~3取引の通帳なら銀行手数料が高いので手入力でOKです。
※個人事業で屋号が入っていない通帳は手数料がかからない銀行もあります。
・預金取引をできるだけ定型化して自動登録ルールを活用しましょう。
毎月発生するような取引は自動登録ルールで登録・推測するようにしておきます。
できるだけイレギュラーな預金取引が発生しないよう整理することもポイントです。
またネットバンキングと『同期』で作成した自動登録ルールはネットバンキングの『CSV履歴取込』ではうまく作動しない場合もあります。
微妙に表記が異なるため、自動登録ルールに合致しないと判断されてしまうためです。
売上の計上方法(連携・取込・入力)
・freeeと連携できるアプリを使用している場合は売上連携させましょう。
売上連携させることで自動で仕訳計上され入力の手間と転記ミスが防止できます。
売上連携は電子取引に該当し、freeeの場合は改ざん防止の事務処理規定などが必要です。
アプリの売上連携はネットバンクの『同期』と異なり訂正削除が可能なデータのためです。
・売上請求書をfreeeで作成し、そのまま連携させる方法
この場合、請求書の作成後に発行ボタンを押せば内容が仕訳で計上されます。
取引先から入金後にWeb領収書に変換することも可能です。
作成した請求書・領収書を相手先へメールで送付・Web共有することもできます。
電子取引ですが、freeeでの請求書作成は電子取引の要件を満たすため何もする必要はありません。
また郵便代行もありますが、これはWeb郵便の方が安いのでおススメできません。( ´∀` )
・Excelで入力した仕訳をインポートする。
連携機能を使用しない場合で毎月の売掛金の計上の入力数が多い場合などにおススメです。
Excelは 収支区分(収入)・発生日・勘定科目・税区分・金額が必須の入力項目です。
決済期日も入力しておけば入金管理も可能となります。
・取引の一覧・登録or連続取引登録で入力する。
下記はfreeeに直接入力する方法になります。
・『取引の一覧・登録』はどちらかというと簿記をあまり知らない方向けの入力方法です。
・『連続取引登録』は既存の会計ソフトと同じような感覚で入力ができます。
ただfreeeはどれだけPCの性能・ネット環境がよくなってもレスポンスはインストール型の会計ソフトにはかないません。
処理に数分かかることもあり、ここはクラウドかインストール型か好みが分かれると思います。
freeeはクラウドであるためできるだけ入力するより連携・取込したほうが楽になります。
仕入の計上方法(連携・取込・入力)
仕入債務の計上のポイントは一部を除き売上の計上とほぼ同じになります。
・Bill One(ビルワン)やバクラク請求書など請求書の受け取りとデータ化代行サービスを使用する。
毎月受け取る請求書が多くその処理に時間がかかってしまう一定規模以上の企業におススメです。
請求書の受領を代行し、電子帳簿保存法に対応したfreeeへ連携可能なデータに変換してくれます。
受取請求書がデータ検索できる形態となりクラウド上で管理できるためペーパーレスに直結します。
ただ初期費用や毎月のランニングコストが高いため現段階では中小企業にはハードルが高めです。
・Excelで入力した仕訳をインポートする。
連携機能を使用しない場合で毎月の買掛金・未払金の計上の入力数が多い場合などにおススメです。
Excelは 収支区分(支出)・発生日・勘定科目・税区分・金額が必須の入力項目です。
決済期日も入力しておけば決済管理も可能となります
・取引の一覧・登録or連続取引登録で入力する。
売上計上の場合と同じくfreeeに直接入力する方法になります。
・『取引の一覧・登録』はどちらかというと簿記をあまり知らない方向けの入力方法です。
・『連続取引登録』は既存の会計ソフトと同じような感覚で入力ができます。